以下、平成26年の「倉田紘文先生ご逝去」の際のものですが、再掲させて頂きますので、ご容赦願います。
「鉄輪俳句筒・湯けむり散歩」の選者、倉田紘文先生が、六月十一日に亡くなられました。先生は「鉄輪俳句筒・湯けむり散歩」が平成四年八月一日に開始されてから二十二年間、温かな眼差しで俳句をよく知らない私達をご指導下さいました。先生を選者にいただくことで全国各地の投句者の高い信頼を受けることが出来、鉄輪の町に様々な成果がもたらされました。選句いただいた年間優秀句の句碑二十二基と先生の選者句碑・記念句碑は、鉄輪の町の温泉情緒をたかめ、その景観は記念写真のスポットになっています。年間句集の「鉄輪ごよみ」は二十三集を数えます。
平成十七年に俳句の開始から十二年間をまとめた句集「湯けむり散歩」上巻、本年度に続く十年をまとめた下巻には、亡くなる前に巻頭の「序」をお寄せ下さいました。
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「湯けむり散歩」下巻 序
ゆけむりの
風と遊べる
小春かな 紘文
別府湯けむり展望台の一瞬の景が皆様の心に響きあう美しい一句となり親しまれてまいりました。この美しい湯けむりの景観の中で夢のある十七文字の宇宙が根を張り続けて二十二年間となりました。そして、この湯けむりが富士山に続いて日本の景観第二位となりました。別府市民のこの上ない喜びであります。「鉄輪俳句・湯けむり散歩」の多くのすばらしい作品に出会い、心なごましていただき有難たく思っています。旅人に又、地元の方々、そして海外の方々と情感あふるゝ作品が多く楽しませていただきました。このようにして二十二の句碑が出来、それぞれの作品は格調が高く味わい深いものばかりです。「湯煙散歩句碑巡り」も鉄輪の観光スポットとしていつまでも続くことを祈ります。二十二年間という長きに亘り、原寛孝様、河野忠之様はじめ、鉄輪を愛するスタッフの皆様に心より敬意を表し、感謝申し上げます。
平成二十六年 皐月 倉田紘文
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